C D 評 (あ)の、男の子も勉強中! 耳と技術と音質!? 第10回 あいはら てつや マスター直後、なんだよなあ。メビウスが直ってきたのは。という感じで、な んだかちょっとナニな感じ。電話したら、直ってきてありますよ、オイオイ、直っ てたらトットと連絡してこんかい、と言いかけて、まあ受け付けに怒鳴ってもしょ うがないか。 さて、今月はちょっと聴くCDの方向性も変えて臨んでみようかね~。などど。 ━ clapton chronicles the best of eric clapton/エリック・クラプトン REPRISE RECORD /9 47564-2(輸入版) 泣く子もだまる? クラプトンのベスト盤。昨年発売されたものだ。よくテレ ビCFでも流される曲も入っているので、たいていの人は一度は聴いたことがあ るハズ。まあ、こういうのは曲にハズレがなく、お買い得感もかなり高いように 思うのだが、ゲオのチェーンで買った輸入盤で1680円(税別)。これくらい だと、15曲で1曲あたりのコストパフォーマンスはネット配信並みだなあ…。 blue eyes blue change the world my father's eyes tears in heaven layla pretending bad love before you accuse me(take a look at yourself) it's in the way that you use it forever man running on faith she' waiting river of tears (I) get lost wonderful tonight (live edit) 内容的には、layla、wonderful tonightなどはライブ版。全曲トータルに素晴 らしいので、改めて内容については触れなくてもいいだろう。 輸入盤らしく、自宅のソニー製プレイヤーで頭出しができないのは、プレイヤ ーが悪いから…、でいいんだけど、音質的にはライブ版を含めほぼパーペキなの は、さすがに大御所。音質もクリアで、ほとんどノイズらしいノイズが感じられ ない。 86年くらいのヒット曲から入ってるわけだが、レコーディング技術自体の発展 とともに録音される音自体は根本的に変わるもの(音楽は変わらないけど)。特 に、7曲目あたりはドラムのマイキング(マイクの立て方)から、ADコンバー タの性能から、当時の技術と今の技術ではまるで違うので、そういう点は、ドラ ムなんかの音はやはり全然違う感じになるし、10年へだたった曲をひとつのア ルバムの中に置くと普通は浮くものだ。が、それを感じさせない。 どういうことかというと、ドラムの録音では、現在の技術では、すごくアタッ クが速くなる。CDで聴く段階でもアタックが速い事はわかる。まあそれが音楽 としていいかどうかは別問題だが、そういう特性が出るわけだ。が、古い録音だ と、アタックがなまっている。マイクの立て方も時代によってかわるので空間的 ・・・・ にもわ~んとして、音自体がドワンと聞こえるのが割とCD初期までのドラムだ。 現在のドラムはマイクの立て方にもよるが、かなり切れと定位がわかりやすく、 エッジが立ってダンと聞こえるのが最近のドラム。このあたりは、音質がかなり 違うのだが、トータルに聴くと、これをあまり感じさせず、アルバムとしての違 和感はほとんどない。良く聴くと、全体的にダイナミックレンジを稼いでいるよ うで若干の荒さに気づくが、言われるまで気がつかない人は気がつかないだろう。 こうしたところはエンジニアリングよるところが大きいだろうが、いずれにし ても演奏と曲が素晴らしい。 オレ度: 8 衝動買い度: 8 録音音質: 9.5 おすすめ度: 10 ━ Deep Sound Channel/篠原ともえ ワーナーミュージック・ジャパン(¥2,565税込み) シノハラのアルバムというよりは、テクノというか、DJミックスというか、 いわば「シノラーで遊んじゃえ」的なテクノアルバム。いやいや、もともと本人 が遊ばれてるんではないか…というハナシは脇に置くとして。以下が曲名リスト。 HAPPY POINT(Maxout mix) レインボー・ララ・ルー(BIG BEAT MIX) THE BEST OF MINE(Sunny Afternoon mix) アリゲーター(Light in the Dark AIX) クルクル ミラクル(Free Drink Free Food mix) Voyage(未発表曲) 地下鉄にのって 20回目のバースディ・イヴ(Continental mix) ウルトラ リラックス(Cool Jive mix) 君んち。(Hello Tribal mix) THE BEST OF MINE(angel dust MIX) Women in Life(深海3000 mix) 基本的に、曲ごとにリミキサーが違うという、テクノアルバムによくある企画 ものに近い。アルバムとして聴くというよりも、各リミキサーがどんな仕掛けを するかを楽しむもの。そもそも音質が云々とかいうレベルで聴くものではない。 だいたいボーカル曲をサンプリングして、音を荒くして、加工して、エフェク トの渦にぶち込んで、というのが常套手段だから、あまり高音質な環境で聴くと かえって興がそがれる気がしてならない。こういうアルバムは、まさにウォーク マンかアナログ盤で聴くべきだろう。それか、本道であるイベント会場で音を浴 びるのがよい。 特にこのアルバムでは、波形がなまってくれないと、かえって聴き辛い曲も多 い。中には深く高級エフェクタを使っているものもあると思われるが、安いエフェ クタによる味を出そうというものをCDに焼き込んだために失敗臭く聞こえる音 も多い。 とくに、回転数を変調させている音の荒さが、なまらない状態で聴くと聴くに たえなくなるケースがある。つまり、こういう状態で細かく音づくりするとかえっ てCDにした時に荒さが聞こえすぎて、かなりアンバランス。あと、イベントの 感じを出そうとして耳に張り付いた感じの音になったりする事も多い。これは身 体で感じる部分がないとかなりツライものがある。また、会場ではつき刺さる刺 激的な効果になるはずの音が、実はそんなに切れが良くなく再生されてしまった り、という事もあってスカされたり。 クラブで直に浴びることを前提に構成されたものをデジタルオーディオ装置で 聴くものではないのだろう。会場のような適度ななまりがないと変な音のカタマ リにしかならない、という見本になってしまった感がある。 オレ度: 3 衝動買い度: 5 録音音質: 不定 おすすめ度: 6 (EOF)